解体工事は500万円未満でも「登録」が必要?建設業許可との違いを解説

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行政書士事務所 監修
建設業許可申請を専門に扱う行政書士が、実務経験をもとに解説しています。

「請負金額が500万円未満の小さな解体工事だから、何の許可もいらないだろう」 そう考えて無許可・無登録で工事を行ってしまうと、法律違反となってしまう可能性があります。 実は、解体工事を行う場合、請負金額が500万円未満の軽微な工事であっても 「建設リサイクル法」に基づく解体工事業の登録が義務付けられています。 今回は、解体工事を請け負うために必要な「解体工事業の登録」と「建設業許可」の違い、 そして登録を受けるための要件をわかりやすく解説します。

「解体工事」とはどのような工事を指す?

「解体工事」がどのような工事内容を指すのかについては、「①建設リサイクル法における解体工事業登録」の基準と、 「②建設業法における建設業許可」の基準で、それぞれ考え方が異なります。

① 建設リサイクル法における「解体工事」の定義

建設リサイクル法では、解体工事を「建築物(本体の床面積の減少するものを含む)または建築物以外の工作物を 除去するために行う工事」と定義しています。具体的には、以下のように取り扱われます。

解体工事業登録が必要な工事(解体工事に該当するもの)

  • 建築物の全部解体、または一部解体
  • 屋根版(構造耐力上主要な部分)の全部交換(解体工事+新築工事となるため)

解体工事業登録が不要な工事(解体工事に該当しない、または附帯工事となるもの)

  • 曳き家(修繕・模様替として扱うため)
  • 屋根葺き材の交換(構造耐力上主要な部分ではないため、修繕・模様替として扱う)
  • 設備工事の附帯工事として壁にスリーブを抜く工事(スリーブを抜く行為自体は解体ですが、附帯工事として行われるため登録不要)

② 建設業法(建設業許可)における「解体工事」の区分

建設業許可においては、「工作物を取り壊すからすべて解体工事業になる」というわけではありません。 取り壊す対象や規模によって、以下の3つに振り分けられます。

01

「解体工事業」に該当するもの

一般的な家屋の一棟解体など、総合的な企画・指導・調整を必ずしも必要としない解体工事が該当します。

02

「一式工事(土木一式工事・建築一式工事)」に該当するもの

ビル、マンション、アパート、校舎、大規模工場、橋、ダムなどの大規模な工作物を、総合的な企画、指導、調整のもとに解体する工事は、解体工事業ではなく「一式工事」に該当します。

03

「各専門工事」に該当するもの

それぞれの専門工事において建設された目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当します。例えば、内装の壁紙の解体、屋根のみの解体、外壁の解体などがこれにあたります。また、店舗のスケルトン解体のように複数の専門工事が組み合わさっている場合でも、1つの主たる専門工事と「附帯工事」として整理できる場合は、そのメインとなる専門工事として扱われます。

このように、「何を取り壊すか」「どのような規模・体制で取り壊すか」によって、該当する工事区分や必要な手続きが変わります。

「解体工事業登録」と「建設業許可」の違いとは?

建設工事を請け負う際、原則として1件の請負代金が500万円未満(建築一式工事の場合は1,500万円未満など)の 「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、建設業許可は不要です。 しかし、解体工事については特別なルールがあり、建設業許可が不要な500万円未満の工事であっても、 「解体工事業の登録」を受ける必要があります。

請負金額が500万円未満の解体工事:建設リサイクル法に基づく「解体工事業の登録」が必要です。
請負金額が500万円以上の解体工事:建設業法に基づく「建設業許可(解体工事業など)」が必要です。

すでに建設業許可を持っていれば登録は不要?

「自社はすでに建設業許可を持っているけれど、それでも解体工事業の登録が必要なの?」という疑問をよくいただきます。

結論から言うと、「土木工事業」「建築工事業」「解体工事業」のいずれかの建設業許可を受けている業者は、 解体工事業の登録は不要です。これらの許可を持っていれば、請負金額にかかわらず適法に解体工事を行うことができます。

とび・土工工事業の許可業者への注意点

平成28年の法改正により「解体工事業」が新設される前は、解体工事は「とび・土工工事業」に含まれていました。 しかし経過措置が終了した令和元年(2019年)6月1日以降は、とび・土工工事業の許可だけでは解体工事を 請け負うことはできません。引き続き解体工事を営むためには、「解体工事業の登録」を受けるか、 新たに「解体工事業」の建設業許可を取得する必要があります。

解体工事業の登録を受けるための条件

解体工事業の登録を受けるためには、主に以下の要件を満たす必要があります。

① 技術管理者を選任すること

解体工事の施工において技術上の管理をつかさどる「技術管理者」を、営業所の数に関係なく少なくとも1名 選任しなければなりません。技術管理者になるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

区分 必要な実務経験(指定講習受講で1年短縮)
大学・高専の指定学科卒業 2年
高校の指定学科卒業 4年
それ以外 8年

実務経験のほか、一級・二級土木施工管理技士、一級・二級建築施工管理技士、一級・二級建築士、 とび技能士(二級は実務経験1年が必要)などの国家資格等を保有していることでも要件を満たせます。

② 欠格要件に該当しないこと

登録申請者やその役員等が、暴力団員等である場合や、過去に登録を取り消されてから一定期間を経過していない などの欠格要件に該当しないことが求められます。

行政書士からのひとこと

「とび・土工の許可を持っているから解体工事も大丈夫」と思い込んでいる事業者様に、令和元年の経過措置終了を お伝えすると驚かれることがよくあります。過去の記憶のまま判断せず、現在の許可内容を一度確認しておくと安心です。

「自社の資格や経験で技術管理者になれるだろうか」
登録の要件を満たすか、一度確認しておくと安心です。

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登録は「工事を行う都道府県ごと」に必要

建設業許可の場合、営業所が1つの都道府県にしかなければ「知事許可」で全国どこでも工事ができます。 しかし、解体工事業の登録はルールが異なり、「解体工事を行う区域を管轄する都道府県知事ごと」に 登録を受ける必要があります。

例えば、本店や営業所が滋賀県にしかない業者であっても、京都府内で500万円未満の解体工事を行うのであれば、 京都府知事に対しても解体工事業の登録を行う必要があります。

まとめ

解体工事は、適正な施工や建設資材のリサイクルが求められる工事であるため、500万円未満の工事であっても 「解体工事業の登録」というルールが設けられています。 「自社の資格や経験で技術管理者になれる?」「他府県でも工事をしたいので登録手続きをお願いしたい」と お悩みの事業者様は、ぜひ当行政書士事務所までご相談ください。スムーズな登録・許可取得をサポートいたします。

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