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【建設業許可】口座に500万円が足りない場合の対処法2選

- 建設業許可の「500万円要件」が何を指すのかがわかる
- 口座に500万円がなくても財産的基礎を証明できる方法がわかる
- 「自己資本500万円」と「預金残高500万円」の違いがわかる
- 「見せ金」のリスクと発覚した場合の罰則がわかる
結論:500万円に届かなくても、方法は2つある
「建設業許可を取りたいが、口座に500万円がない」という相談は非常によくあります。しかし、諦める前に確認してほしいことがあります。
必ずしも銀行口座に現金500万円が必要なわけではありません。
このうちどちらか一つを満たせば要件クリアです。
「口座に500万円ない」と困っている方でも、決算書の純資産が500万円以上あれば現金がなくても要件を満たせます。また複数口座の合算や融資証明書での対応も可能です。自社の状況に合った方法を確認しましょう。
まず整理:「500万円要件」は何を指すのか
建設業法(第7条第4号)では、一般建設業の許可を受けるための財産的基礎について、次のいずれかに該当することを求めています。
| 証明方法 | 内容 | 確認書類 |
|---|---|---|
| ① 自己資本 | 貸借対照表の純資産合計が500万円以上あること | 確定申告書の控え(直前決算期のもの) |
| ② 資金調達能力 | 金融機関から500万円以上の融資を受けられる能力があること | 取引金融機関発行の預金残高証明書(残高日から4週間以内のもの) |
対処法2選:それぞれ詳しく解説
「口座に500万円ない」と思っていても、直前の決算期の財務諸表(貸借対照表)の純資産合計(自己資本)が500万円以上あれば要件を満たします。現金・預金残高とは別の話です。
自己資本とは、会社の資産から負債を引いた残り(正味の財産)のことです。土地・建物・設備などの固定資産も含まれるため、銀行口座の残高が少なくても純資産が500万円を超えているケースは珍しくありません。
「自己資本」の具体的な計算方法は次のとおりです。
法人の場合:貸借対照表の「純資産合計」の額がそのまま自己資本になります。
個人の場合:少し複雑ですが、簡単に言うと「事業で積み上げてきた正味の財産」を計算します。具体的には、事業の元手(期首資本金)に、事業主が事業のために入れたお金(事業主借勘定)と今年の利益(事業主利益)を足し、事業主が事業から個人的に引き出したお金(事業主貸勘定)を引いた額が基本になります。さらに、将来の支払いに備えて積み立てているお金のうち実質的に自社の財産とみなせるもの(利益留保性の引当金・準備金)があれば、それも加算します。
なお、既存の企業は申請時の直前の決算期の財務諸表で判断しますが、新規設立で決算を迎えていない企業については創業時の開始貸借対照表で判断します。
自己資本が500万円に届かない場合は、取引金融機関が発行する預金残高証明書または融資証明書で証明する方法があります。
ポイントは次の2点です。
①残高日から4週間以内のものが有効(滋賀県の場合)
滋賀県では、申請書の受付日時点で、残高証明書の残高日から4週間(残高日を含む)以内のものでなければなりません。早めに取得しすぎると有効期限が切れるため、窓口への来庁予約を先に確保してから取得するのがベストです。なお、有効期限の取り扱いは都道府県によって異なる場合があります。
②複数の金融機関の残高を合算できる
1つの口座で500万円に届かない場合でも、複数の金融機関の残高証明書を合算して500万円以上を証明することができます。ただし、複数の証明書を使う場合は残高日の日付を統一する必要があります。
「見せ金」のリスク
見せ金とは、取引などで信用を得るために相手に一時的に見せるお金のことです。典型例は株式会社設立時の仮装払込で、借りた金銭を資本金として払い込み、設立直後に引き出して返済する行為です。法律の世界では見せ金は原則として否定的に評価されます。
建設業許可における実務的取扱い
実務上、残高証明書による500万円の証明は「資金調達能力」の証明であり、原資が自己資金か借入金かは問われません。次のような資金調達は許容されると説明されています。
・配偶者名義の口座から申請者名義の口座への振込
・法人代表者の個人口座から会社口座への振込
・金融機関からの融資
・クレジットカードのキャッシング利用
・支払で残高が減る前のタイミングで残高証明書を発行
ただし、これを「見せ金でもOK」と表現することは法的に正確ではありません。借入金であっても返済の信用関係が実際に存在するのであれば、それは金銭的信用力・資金調達能力の裏付けがある資金であり、本来の意味での「見せ金」とは異なります。申請時点で500万円の資金を動かせる信用力自体が要件の趣旨であり、単なる見せ金は想定されていません。
リスクと注意点
申請のために一時的に資金を集めて残高証明書を取得し、その後に返済する行為自体は、借入原資を明示する義務がない以上、現行運用では財産的基礎要件を満たすと扱われています。ただし趣旨からみれば、工事の円滑な履行に必要な資金力を備えていることが本来の要請であり、形式を満たすことと事業継続性は別問題です。
まとめ
建設業許可における500万円の財産的要件は、残高証明書による「資金調達能力」の証明ルートを用いれば、借入等で用意した資金でも形式上クリアできます。もっとも、これを安易に「見せ金OK」と表現するのは法的に不正確で、実際に要求されているのは申請時点での金銭的信用力です。
財産的基礎の要件を満たしているかどうかは、許可を行う時点(申請時)に判断されます。そのため、許可を受けた後に業績が悪化するなどして一時的にこの基準を満たさなくなったとしても、直ちに許可の効力に影響を及ぼすものではありません。ただし、更新申請の際には再度要件の確認が必要です。
残高証明書は残高日から4週間以内(残高日を含む)に申請受付される必要があります。取得してから申請が遅れると無効になるため、窓口の予約日を先に決めてから残高証明書を取得する順番が基本です。
自分はどの方法を使えばいい?
状況によって使える方法が異なります。下の表を参考に、自社に合った方法を確認してください。
| 状況 | おすすめの方法 |
|---|---|
| 決算書の純資産が500万円以上ある | 対処法①(自己資本)で証明。確定申告書を用意するだけ |
| 純資産は足りないが、複数口座を合わせると500万円を超える | 対処法②(残高証明書の合算)。残高日を統一して複数の証明書を取得 |
| 資産も預金も不足している(新規申請) | 申請を一定期間待ち、資金を積み上げるか、増資・借入を正規の方法で行う |
まとめ
自己資本・残高証明の2つを確認しよう。
- 財産的基礎の要件は「自己資本500万円以上」または「残高証明500万円以上」のどちらか一つを満たせばOK
- 自己資本は決算書の純資産合計で確認。現金でなくても構わない
- 残高証明書は複数の金融機関を合算できる(残高日の統一が必要)
- 残高証明書の有効期限は残高日から4週間以内(残高日を含む)
- どの方法が使えるか迷ったら、申請前に専門家に相談するのが確実
まずは無料でご相談ください
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