個人事業主の建設業許可申請に必要な書類一覧|取得先・順番・注意点を大津市の行政書士が解説

個人事業主の建設業許可申請に必要な書類一覧|集めにくい書類の取得方法|大津市・滋賀県
こんなお悩みはありませんか?
  • 「必要書類のリストを見たら30種類もある…どこから始めればいいの?」
  • 「本籍地が他の県にあって、身分証明書がなかなか届かない」
  • 「10年分の契約書なんて残っていない。諦めるしかない?」
  • 「書類集めだけで1か月以上たってしまった」

この記事を読めば、すべて解決できます

段取りさえ正しければ、書類集めは1か月で終わります

建設業許可を取るには、申請書本体(様式)のほかに多くの添付書類が必要です。個人事業主の場合、法人より書類数は少なめです。それでも30種類前後を一気に揃えなければなりません。

約30種類
必要書類の数
5箇所
取得先
(法務局・税務署等)
3ヶ月
証明書の
有効期間

市町村役場・税務署・法務局・本籍地の役場と、取得先がバラバラな書類が多いのが個人事業主の申請の特徴です。本籍地が遠方にある場合や、本人しか取得できない書類もあります。

段取りを誤ると、申請が1〜2か月単位で遅れてしまいます。当事務所でも「書類が揃わなくて半年以上かかった」というご相談を月に数件いただきます。

この記事の結論
書類には「自分で作るもの」と「役所から取り寄せるもの」の2種類があります。
取り寄せが必要な書類から動き出すのが、最速で許可を取るコツです。
取得先・有効期間・原本か写しかを意識して、効率よく集めていきましょう。

まず全体像を把握しましょう。書類は「4つのグループ」に分けて考えます

「30種類もある」と聞くと気が遠くなりそうですよね。でも、グループに分けると頭の中がすっきり整理できます。

グループ 内容
①申請書本体 ご自身で作成する様式類(第1号〜第20号など)
②証明書類 役所・法務局・税務署から取り寄せる書類
③決算関係書類 確定申告書・貸借対照表など
④常勤性・実務経験の確認書類 社会保険関係・工事の契約書など

このうち②の「証明書類」が最も段取りを要します。後ほど詳しく解説しますが、まずここから動き始めることが大切です。


①申請書本体(様式類)は、滋賀県のサイトからダウンロードできます

申請書の様式はすべて滋賀県のホームページからダウンロードできます。費用はかかりません。個人事業主の場合に必要な主な様式は次のとおりです。

  • 第1号建設業許可申請書
  • 別紙2(1)営業所一覧表
  • 別紙3収入証紙貼付け欄または電子決済用レシート貼付け欄
  • 別紙4営業所技術者等一覧表
  • 第2号工事経歴書
  • 第3号直前3年の各事業年度工事施工金額
  • 第4号使用人数
  • 第6号誓約書
  • 第7号常勤役員等証明書
  • 第7号別紙常勤役員等の略歴書
  • 第7号の3健康保険等の加入状況
  • 第8号営業所技術者等証明書
  • 第9号実務経験証明書
  • 第12号許可申請者の調書
  • 第18号貸借対照表(個人)
  • 第19号損益計算書(個人)
  • 第20号営業の沿革
  • 第20号の2所属建設業者団体
  • 第20号の3主要取引金融機関名
支配人を置く場合は様式が2つ追加されます

「支配人」とは、営業所長など事業主に代わって営業に関するすべての判断ができる代理人のことです。支配人登記をして令第3条使用人を置く場合は、第11号(令第3条使用人の一覧表)と第13号(令第3条使用人の調書)も追加で必要になります。

「自分で書く書類」でよくある差し戻し

申請書本体は記入ミスや書き漏れで差し戻しになるケースが多い書類です。

特に「工事経歴書」と「実務経験証明書」は、当時の請負契約書を見ながら正確に書く必要があります。後述の確認書類(契約書等)と内容を必ず突き合わせながら記入してください。


②役所から取り寄せる証明書類【ここが最大の難関です】

ここが最も段取りを要するポイントです。書類ごとに取得先が違います。「どこで取るか」を間違えると、貴重な時間をムダにしてしまいます。

1
登記されていないことの証明書
取得先法務局・地方法務局(本局)/滋賀県内では大津地方法務局のみ
内容成年後見(判断能力が不十分と法律で認定されていない)ことを証明するものです
有効期間申請日の3か月以内に発行されたもの
必要な人個人事業主ご本人、令第3条使用人(支配人等)
※外国籍の方は国籍欄を記載した証明書を取得してください
2
『身分に関する証明書』(いわゆる身分証明書)
取得先本籍地の市区町村役場(戸籍事務担当窓口)
内容破産者で復権を得ないものに該当しないこと、成年後見の登記を受けていないことなどを証明するものです
有効期間申請日の3か月以内に発行されたもの
必要な人個人事業主ご本人、令第3条使用人(支配人等)
※外国籍の方は不要です
過去に自己破産していても、許可は取れます

「以前に自己破産したことがある」と心配されるお客様は少なくありません。でも安心してください。すでに「復権(法律上の権利が回復すること)」を得ていれば、身分証明書は取得でき、建設業許可も問題なく申請できます。

3
所得証明書(課税証明書)
取得先お住まいの市町村役場
内容所得金額が記載されているものをご用意ください
必要な人常勤であることの確認が必要な方(直近のものを取得)
4
事業税納税証明書
取得先滋賀県税事務所(県税)
内容税目の記載があるもの、原本、3か月以内に発行されたもの
代替開業して間もない方は、税務署の収受日付印がある「個人事業の開業届出書」の写しでも代わりになります
「税務署(国税)」ではなく「県税事務所(滋賀県税)」で取得します

滋賀県知事許可の申請では、税務署で取得する「所得税の納税証明書(国税)」は提出不要です。必要なのは県税事務所で取得する「事業税納税証明書(県税)」のみです。

「税務署にも行かなきゃいけない」と思い込んで二度手間になるケースが多いので、注意してください。

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③決算関係書類は、確定申告書を中心に揃えます

【1】確定申告書の控え(写し)

「経営業務管理責任者(けいえいぎょうむかんりせきにんしゃ)」の要件を満たすために、直近5年分の確定申告書が必要です。経営業務管理責任者とは、一言でいえば「会社(または個人事業)を5年以上経営した実績がある人」のことです。

令和7年1月以降の申告分は、収受日付印が不要になりました

令和6年12月以前に書面で申告した分は、税務署の収受日付印(受け付けたことを示すスタンプ)がある控えを添付してください。

令和7年1月以降に申告した分は、収受日付印がなくても大丈夫です。電子申告の場合は、申告時期を問わずメールの詳細や受信通知は不要です。

【2】個人用の貸借対照表・損益計算書

様式第18号(貸借対照表)と第19号(損益計算書)を、直前1事業年度分について作成します。確定申告書(青色申告決算書)の数字をもとに作成してください。


④常勤性・実務経験の確認書類は、状況に応じて変わります

【1】「毎日その仕事をしている」ことを証明する書類

営業所の技術者(工事の専門知識を持つ担当者)が個人事業主ご本人の場合は、経営業務管理責任者と同じ書類で確認できます。従業員を技術者にする場合は別途書類が必要です。

健康保険証カードのコピーは使えなくなりました

令和7年12月2日以降、従来の紙・カードタイプの健康保険証は、常勤であることを証明する書類として使えなくなりました。

また、会社の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している場合、「マイナポータルで表示できる健康保険証の資格情報」は使えません(事業所名が記載されていないためです)。国民健康保険の場合は利用できます。状況に合った書類を確認してご用意ください。

A
会社の健康保険・厚生年金に加入している場合(いずれか1点)
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書(写し)
  • 健康保険・厚生年金保険資格取得確認および標準報酬決定通知書(写し)
  • 健康保険組合からの資格証明書(原本・発行から3か月以内のもの)
B
国民健康保険に加入している場合(いずれか1点)
  • マイナポータルの健康保険証の資格情報(PDF出力したもの)
  • 資格確認のお知らせ(写し)
  • 資格確認書(写し)

【2】営業所の技術者が「専門知識を持つ」ことを証明する書類

証明する方法によって、必要な書類が変わります。

証明する方法 必要な書類
資格で証明する 技術検定の合格証明書など、資格を証明する書類(写し)
学校の専門学科+実務経験で証明する 卒業証明書(原本)+実務経験証明書(様式第9号)
10年の実務経験で証明する 実務経験証明書(様式第9号)+工事の請負契約書または注文書・請書(写し)

【3】「経営の経験が5年以上ある」ことを証明する書類

個人事業主の場合、経営経験の5年以上を証明するには次の2つが必要です。

  • 確定申告書5年分(第一表の控えの写し)
  • 工事の請負契約書または注文書5年分(建設業であれば工事の種類は問いません)

※契約書等がない場合は「発注者証明書」(ひな形あり)で代わりにできます。記載が必要な内容は、工事名・工事場所・請負金額・工期・工事の請負人・発注者の署名と実印です。


実際によくつまずく書類トップ3と、その対処法

当事務所へのご相談で「ここで詰まった」という声が特に多い書類を3つ、具体的な対処法とあわせてご紹介します。

難易度 ★★★
『身分に関する証明書』(いわゆる身分証明書)
よくある困りごと
  • 本籍地が遠い(特に他県・他市町村)
  • 結婚や転籍で本籍地が変わっている
  • そもそも自分の本籍地を知らない
対処法
  • 郵送で請求できます。市区町村のホームページから請求書をダウンロードして使いましょう
  • 手数料の代わりとして「定額小為替」(300円程度)を郵便局で購入し、封筒に同封します
  • 返信用封筒(切手を貼り、宛名を書いたもの)も忘れずに同封してください
  • 往復で1〜2週間かかります。すべての書類の中で一番最初に動き始めるべき書類です
難易度 ★★
登記されていないことの証明書(法務局の本局で取得)
よくある困りごと
  • 「登記されていないことの証明書」と「登記事項証明書(登記簿謄本)」を混同してしまう
  • 滋賀県内で取り扱っているのは大津地方法務局だけ(支局では取得できません)
  • 郵送請求でも取れるが、法務局指定の申請書様式でないと受理されない
対処法
  • 申請書は法務局のホームページからダウンロードして使用してください
  • 郵送請求の場合は、収入印紙(300円分)と返信用封筒(切手貼付)を同封します
  • 東京法務局後見登録課(〒102-8226 東京都千代田区九段南1-1-15)への郵送請求も可能です。その際は本人確認書類のコピーも同封してください
難易度 ★★★★
実務経験を証明するための工事の請負契約書
よくある困りごと
  • 10年前の契約書が手元にない
  • 元請の会社が廃業していて、当時の書類を再発行してもらえない
  • 口頭で受注していたので、そもそも契約書がない
知らないと損する!滋賀県のルール
10年分すべて揃える必要はありません!
10年の実務経験を証明する場合、証明書(様式第9号)には10年分の工事を記載しますが、「証拠書類」として実際に提出する契約書等は「3年分(各年1件ずつ、計3件)」で認められます(滋賀県のルール)。10年分すべてを探す必要はないので、負担がぐっと軽くなります。
対処法
  • 契約書がない場合は「発注者証明書」で代替できます。工事を発注してくれた方に実印で証明してもらいましょう
  • 「登録基幹技能者講習修了証」に主任技術者の要件を満たす旨の記載がある場合は、実務経験証明書の提出が不要です
  • 3件も揃わない場合は、揃えられる分から着手し、残りは発注者証明書で補う方法を検討しましょう

書類を揃える正しい順番(4ステップ)

やみくもに書類を集め始めると、あとで「有効期限が切れた」「順番が逆だった」という事態になりがちです。次の順番で進めるのがおすすめです。

01
「取り寄せが必要な書類」から動き始める

最初に着手するのは、時間がかかる書類です。本籍地の役場で取る「身分証明書」、法務局で取る「登記されていないことの証明書」、税務署で取る「納税証明書」など、郵送請求が必要なものを最優先にしましょう。

02
有効期限を意識しながら並行して取得する

証明書類は申請日の3か月以内に発行されたものでないと使えません。早く取りすぎると期限切れになりますので、3か月以内に申請まで終わるスケジュールを組みましょう。

残高証明書は「残高日から4週間以内」です。特に注意が必要です

財産的基礎(500万円以上の資金力)を証明するために銀行の「残高証明書」を使う場合は、残高日から4週間以内という短い期限があります。タイミングを誤ると取り直しになるため、申請日から逆算して取得してください。

03
実務経験・経営経験の書類を年度別に整理する

工事の請負契約書や確定申告書は手元にあることが多いですが、年度別に並べる作業は意外と時間がかかります。経営経験の証明は5年分、実務経験の記載は最大10年分ですが、提出する契約書等は3年分(3件)で済みます

04
取り寄せ書類が揃ってから、申請書本体を作成する

申請書本体(様式)は最後に作成するのが効率的です。取り寄せた証明書の内容を申請書に反映させる必要があるため、先に証明書が手元にあると、書き直しのムダが省けます。


実際にあった「やってしまいがちな失敗」4選

同じ失敗を繰り返さないよう、当事務所に相談に来られた方がやってしまいやすかった失敗をご紹介します。

失敗例①
身分証明書を住民票の住所地で取ろうとした
身分証明書は「本籍地」の市区町村役場でしか取れません。住民票がある市区町村ではないので注意してください。
失敗例②
登記されていないことの証明書を法務局の支局で取ろうとした
滋賀県内で取り扱っているのは「大津地方法務局(本局)」のみです。支局では取得できません。
失敗例③
事業税納税証明書を税務署(国税)に取りに行った
滋賀県知事許可の申請で必要な納税証明書は「事業税(県税)」のみです。取得先は滋賀県税事務所です。税務署では発行してもらえません。
失敗例④
証明書の有効期限が切れていた
申請日の3か月以内のものが必要です。特に残高証明書は4週間以内と期限が短いので、タイミングに注意してください。

まとめ:必要書類は4グループに分けて段取りよく集める

まとめ
必要書類は約30種類、取得先は5箇所に分かれています。
正しい順番と段取りで進めれば、1か月で揃えることも十分可能です。
最終確認チェックリスト
  • 書類は「申請書本体」「証明書類」「決算関係」「常勤性・実務経験」の4グループに分けて管理する
  • 法務局・税務署・本籍地の役場など、取得先が違う書類は最初に動き始める
  • 証明書類の有効期間は申請日から3か月以内(残高証明書だけは残高日から4週間以内)
  • 身分証明書は「本籍地」の市区町村役場でしか取れない
  • 登記されていないことの証明書は滋賀県内では「大津地方法務局」のみ取り扱いあり
  • 納税証明書は「滋賀県税事務所(県税)」で取得する事業税納税証明書のみ。税務署(国税)は不要
  • 10年実務経験の証明でも、提出する契約書等は3年分(計3件)で足りる(滋賀県のルール)
  • 工事の契約書が揃わない場合は「発注者証明書」で代替可能
  • 健康保険証カードのコピーは令和7年12月2日以降使えない。状況に合った書類を選ぶ
この記事は滋賀県土木交通部監理課「建設業法のあらましと建設業許可申請マニュアル(令和7年11月改訂)」および「建設業許可申請の手引き」に基づき作成しています。要件の詳細は変更される場合があります。最新情報は滋賀県監理課(077-528-4114)にご確認ください。

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