浄化槽工事は500万円未満でも『登録』が必要?浄化槽工事業登録と建設業許可の違い

「1件の請負代金が500万円未満の軽微な浄化槽工事だから、建設業許可はいらないし、そのまま施工しても大丈夫だろう」 もしそのように考えて無登録・無届出で浄化槽工事を行ってしまうと、浄化槽法違反として罰則の対象となる可能性があります。 浄化槽工事を請け負う場合、たとえ500万円未満の小さな工事であっても、原則として 「浄化槽工事業の登録」または「特例浄化槽工事業者の届出」のいずれかの手続きが必要です。 今回は、浄化槽工事を始めるために必要な「登録」と「建設業許可」の違い、自社がどちらの手続きを行うべきかの判断基準、 そして申請時の手数料や納付方法について、滋賀県の最新の案内に基づいて解説します。
「登録」と「特例届出」、どちらが必要?
浄化槽工事業を営む方は、浄化槽法により登録または届出のいずれかが必要となります。 どちらが必要かは、建設業法の土木工事業・建築工事業・管工事業のいずれかの許可を受けているかどうかで決まります。
| ケース | 必要な手続き |
|---|---|
| 建設業法の土木・建築・管のいずれかの許可を受けている場合 | 特例浄化槽工事業者届出 |
| 上記以外の場合 | 浄化槽工事業者登録 |
また、登録・届出のいずれも、営業所の有無にかかわらず、実際に浄化槽工事を行おうとする区域を管轄する 「都道府県ごと」に必要です。本店や営業所が滋賀県にしかない業者であっても、他県で工事を行うのであれば、 その都道府県への登録・届出も別途必要になります。
すでに浄化槽工事業の登録を受けている業者が、後から土木・建築・管のいずれかの建設業許可を取得した場合、 その時点で登録の効力は失われます。速やかに特例浄化槽工事業者届出への切り替えが必要になりますので注意してください。
登録の有効期間・更新・要件
登録の有効期間は5年間です。新規登録をした翌日から起算して5年間で、5年目の登録日をもって満了となります (満了日が土曜・日曜等の休日であっても、その日をもって満了します)。 5年を超えて引き続き浄化槽工事業を営もうとする場合は、登録期間満了日の30日前までに、新規登録と同様の手続きで 更新申請を行う必要があります。
登録の要件
浄化槽工事業者は、営業所ごとに「浄化槽設備士」を置く必要があります。 なお、令和5年8月1日のマニュアル改訂により、一定の条件を満たせば、浄化槽設備士が他の営業所と兼務することも 認められるようになりました。
あわせて、次のような欠格要件に該当しないことが求められます:浄化槽法違反等で罰金以上の刑に処せられ2年を 経過しない者/登録を取り消され2年を経過しない者/事業停止期間中の者/申請書類に虚偽記載がある場合 など。
「浄化槽設備士は自社の営業所にしか置けない」と思い込んでいる事業者様も多いのですが、 兼務が認められたことで、複数営業所を持つ事業者でも配置計画が立てやすくなりました。 ただし著しい遠距離での兼務は認められないため、実際に可能かどうかは事前に確認しておくと安心です。
申請方法と手数料・納付方法
申請方法は「窓口への持参」「郵送」に加えて、令和7年4月1日より「電子申請」にも対応しています。 窓口・郵送で提出する場合、提出部数は2部(正本1部・副本(申請者控え)1部)です。
提出先・受付日
提出先:滋賀県県土整備部監理課建設業係(県庁新館5階)〒520-8577 大津市京町四丁目1番1号
新規・更新申請の窓口受付は、予約不要ですが受付日が月・水・金曜日、受付時間が9:00〜12:00、13:00〜16:00
(祝日除く)となっています。
登録手数料
新規登録:31,000円 / 更新登録:25,000円
納付方法(令和8年4月1日より収入証紙が廃止)
滋賀県収入証紙による納付は、令和8年3月31日までに監理課に到達した申請に限り受付可能です。 郵送で申請する場合、消印有効ではなく「必着」となるため、期限に近い申請は特に注意が必要です。
- 窓口へ持参する場合:キャッシュレス決済(クレジットカード、コード決済、電子マネー等)。利用できない場合は監理課の指示により、庁内の券売機での現金納付も可能(令和8年4月1日より利用可)
- 郵送で申請する場合:申請書の郵送とあわせて納付申請フォームから申し込み、メールで届く納付依頼に従ってクレジットカードまたはPay-easyで納付
- 電子申請の場合:申請後、メールで届く納付依頼に従ってクレジットカードまたはPay-easyで納付
「自社は登録と届出、どちらの手続きが必要?」
申請方法や納付方法が変わったタイミングだからこそ、一度確認しておくと安心です。
特例浄化槽工事業者届出について
土木工事業、建築工事業又は管工事業の許可を受けている建設業者が、浄化槽工事業を開始したときは、 「特例浄化槽工事業者届出書(様式第11号)」を、浄化槽工事業を営もうとする区域を管轄する都道府県知事に 提出する必要があります。
登録とは異なり、届出そのものには有効期間はありません。ただし、建設業許可は5年で更新され、 更新の都度必ず許可番号が変更されるため、その際には変更の届出が必要になります。 つまり、実質的には5年に1度、必ず変更届の提出が必要になる点に注意してください。 なお、届出の手数料は不要です。
提出方法は登録と同様、窓口持参・郵送・電子申請のいずれかです。郵送の場合は、返信用封筒(宛名記入・切手貼付)の 同封を忘れないようにしましょう。
登録・届出後に義務付けられる2つのルール
無事に手続きが完了した後も、浄化槽工事業者として次の義務を守る必要があります。
① 標識の掲示
浄化槽工事業者は、営業所および浄化槽工事の現場ごとに、見やすい場所に法定の標識を掲げる必要があります。
② 帳簿の備付け
営業所ごとに法定の帳簿(様式第10号)を備え、処理方法及び処理能力を記載した書面、構造図、仕様書、 処理工程図を添付しておく必要があります。
このほか、浄化槽工事を行う際に浄化槽設備士が実地に監督しない場合(設備士自らが施工する場合を除く)や、 帳簿の不備・虚偽記載があった場合は、罰則の対象となる規定が設けられていますので、日頃からの管理が大切です。
まとめ
浄化槽工事は、適正な施工と生活環境の保全が求められる工事であるため、500万円未満の工事であっても 「登録」または「特例届出」のいずれかの手続きが必要です。
- 建設業許可(土木・建築・管)を持っていない場合は「登録」(5年ごとに更新)
- 建設業許可(土木・建築・管)を持っている場合は「特例届出」(手数料不要)
- 営業所ごとに浄化槽設備士の配置が必要(他営業所との兼務は条件付きで可能)
- 申請方法は窓口・郵送・電子申請から選択可能。手数料の納付方法は令和8年4月1日より変更
「浄化槽設備士の資格はあるけれど、手続きがよく分からない」「県庁への申請を代行してほしい」という 事業者様は、ぜひ浄化槽工事業・建設業許可専門の当行政書士事務所へお気軽にご相談ください。 確実でスピーディーな手続きをサポートいたします。

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