滋賀県で建設業許可が取れない理由5選【経管・専任技術者の壁を行政書士が解説】

「元請から建設業許可を取るよう言われたが、要件が厳しくて取れそうにない…」「昔の書類が残っておらず、経験を証明できない…」
こんな悩みを抱えている事業者は少なくありません。この記事では、2026年最新の法令・運用ルールに基づき、建設業許可が取れない「本当の理由」を5つ解説するとともに、その突破口を具体的にご紹介します。
▼ この記事の目次
REASON 01
経営業務の管理責任者(経管)の経験が証明できない
建設業許可の取得には、建設業に関し5年以上の経営経験を持つ「常勤役員等(経営業務の管理責任者)」の配置が必要です。この要件こそ、許可が取れない最大の原因です。
- 個人事業主や役員としての経験年数が5年に満たない
- 経験はあるが、確定申告書や工事請負契約書を紛失してしまい客観的な証拠がない
突破する方法
「発注者証明書」を活用する
契約書や注文書が残っていない場合でも、当時の発注者(施主や元請)に実印を押印してもらう「発注者証明書」を作成できれば、工事実績として認められます。
他社での経験や親族からの事業承継を検討する
経営経験は現在の会社に限らず、他社での役員経験や個人事業主時代の経験も合算できます。また親族の事業を手伝っていた場合、「経営業務を補佐した経験」として認められる特例もあります。
「役員に次ぐ地位」での経験で証明する
役員経験が5年に満たなくても、財務管理・労務管理・業務運営のいずれかを担当する部長等(役員に次ぐ職制上の地位)での5年以上の経験+役員経験2年以上があれば要件をクリアできる場合があります。
REASON 02
営業所技術者等(旧・専任技術者)の要件を満たせない
各営業所には、許可を受ける業種の専門知識を持つ「営業所技術者等」を常勤で配置しなければなりません。資格がない場合は10年の実務経験が必要となり、これがハードルになるケースが多々あります。
- 対象業種の国家資格(施工管理技士など)を持つ従業員がいない
- 10年間(120ヶ月)分の契約書・注文書を探し出すのが困難
突破する方法
10年実務経験の裏付け資料は「3年分」でOK
滋賀県などの一部自治体では、10年の実務経験を証明する際に提出する工事請負契約書等は「3年分(各年1件ずつ、計3件)」で認められます。10年分をすべて探す必要はなく、負担は劇的に軽くなります。
指定学科の卒業歴を確認する
工業高校・大学などで許可を受けたい業種に関連する「指定学科」を卒業していれば、必要な実務経験が「3年」または「5年」に大幅短縮されます。まず従業員の卒業証明書を確認してみましょう。
REASON 03
適切な社会保険・雇用保険に未加入である
令和2年(2020年)10月の法改正により、社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)への加入が許可の絶対要件となりました。未加入のままでは申請すら受け付けてもらえません。
- 法人なのに社会保険に加入していない
- 保険料の負担を理由に加入を先延ばしにしている
- 令和7年12月2日以降、カード型健康保険証のコピーが使えなくなり、証明方法がわからない
突破する方法
まずは法令通りに加入手続きを行う
法人は従業員数に関わらず社会保険の強制適用事業所です。速やかに年金事務所等で手続きを進めましょう。未加入のままでは許可は絶対に下りません。
最新の証明書類を把握する
健康保険証が使えなくなった後は、「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」や「マイナポータルの健康保険証の資格情報(国民健康保険の場合のみ)」など、加入状況に合った正しい書類を準備しましょう。
REASON 04
財産的基礎要件(500万円の資金)がクリアできない
一般建設業許可を受けるには、「500万円以上の資金調達能力」または「自己資本が500万円以上」であることが求められます。直近の決算が赤字続きだったり、開業直後だったりする場合に引っかかりやすい要件です。
- 直近の決算書で純資産が500万円未満になっている
- 開業したばかりで決算を迎えていない
突破する方法
「預金残高証明書」を取得する
純資産が500万円未満でも、金融機関が発行する500万円以上の預金残高証明書を提出できれば要件をクリアできます。ただし有効期限は残高日から4週間以内と非常に短いため、申請タイミングに合わせた段取りが重要です。
新設法人は資本金を500万円以上に設定する
これから法人成り(会社設立)をして許可を取る場合は、設立時の資本金を500万円以上にすることで、最初からこの要件をクリアできます。
REASON 05
欠格要件に該当している
建設業法では、許可を受けられない「欠格要件」が厳格に定められています。知らずに該当していると、申請しても必ず不許可になります。
- 過去に自己破産をしたことがある
- 役員の中に、過去5年以内に暴行や傷害等で罰金刑を受けた者がいる
突破する方法
自己破産は「復権」していれば問題なし
「過去に自己破産したから許可は取れない」と勘違いされる方が多いですが、免責許可が下りて法律上の権利が回復する「復権」を得ていれば、問題なく許可を取得できます。本籍地の役場で取得する「身分証明書」でその旨を証明します。
該当する役員等を外す
役員や令第3条使用人(営業所長など)が刑罰等の欠格要件に該当している場合、刑の執行を終わり5年を経過するまでは、その方を退任させるなどの組織変更を行わない限り、会社として許可を取ることはできません。
建設業許可は「要件を満たしているか」「それを書類で客観的に証明できるか」がすべてです。
自分たちだけでは「無理だ」と感じていても、これまでの経歴の棚卸しや、ローカルルール・代替書類の活用によって突破口が見つかるケースは多々あります。
「もうすぐ着工なのに許可がない」「元請から早く番号を出すよう急かされている」といった場合は、一人で悩まず、建設業許可に詳しい行政書士へ早めにご相談ください。

コメント